松方ハウス

東京の史跡として

Matsukata House近代社会の先端をいく東京の忙しい町中、人々がやすらぐ住宅地の中に、90年の歴史を誇る松方ハウスが静かに佇んでいます。アメリカ人建築家ウィリアム・メレル・ボーリズ氏(1880-1964)設計による松方ハウスは竹中工務店によって建設され、現在でも戦前の建築物として東京の町並みに昔の面影を色濃く与えています。このような文化的に価値のある建造物をなるべく残したいと、東京都は歴史的建造物を認定する制度を作りましたが、松方ハウスは2000年に歴史的建造物の指定を受けました。

東洋と西洋が繋がるところ

Matsukata Family

松方ハウスは西町の創立者松方種子の両親、松方正熊・美代夫人を建築主として、当時麻布西町と呼ばれていた土地に、家族と使用人の為に十分に広い家が建設されました。アメリカで生まれ育った美代夫人は、自分の子どもたちが日本の教育だけを受けて育った時、日本以外の世界のこと、他の国の文化や言語を理解できない人になってしまうのではないかと危ぶみ、自分がアメリカで受けたような教育を自宅で行う考えを持つようになりました。

正熊氏は美代夫人の考えに賛同し、自分たちの手で子どもたちを教育することになりました。子どもたちの世話係としてイギリス人女性が、そして家庭教師として教員資格を持つアメリカ人女性が雇われました。もちろん、その頃のことですから住み込みです。教室には3階の部屋があてられました。そしてこの家庭教育は十分にその役目を果たし、松方家の6人の子どもたちだけでなく、友人たちの子女を受け入れることになり、その後17年の間続けられました。そしてこの小さなアカデミーのあり方が後の西町の原型ともなっているのです。

戦時中のこと

Nishimachi School

戦争中、松方夫妻は鎌倉、軽井沢、群馬県黒保根の鹿角などで避難生活を送ることになり、松方ハウスをスエーデン大使館に貸し出すことになりました。戦後、東京に戻った夫妻が見たのは、松方ハウスの本館と使用人棟を残して、荒れ果てた庭の邸宅でした。その後、松方ハウスはカナダ領事館、スエーデン大使館、ルーマニア大使館、そして学校に返還になる直前にはベネズエラ大使館として使われました。

再び学校として

松方ハウスが松方家の手に戻ったのは1965年のことでした。1949年に松方種子が始めた学校は、その頃までには大勢の生徒が通う学校となり、教育施設として大きなスペースを必要としていました。家族が集う音楽室は校長室として松方先生のオフィスとなり、リビングルームとダイニングルームは図書室に、かつてのキッチンは理科室として使われることになりました。2階の子供部屋や夫妻のベッドルームは生徒たちが学ぶ教室となり、そして和室も教室へと趣を変えました。その後、体育館、低学年教室棟、中等部教室棟、メディアセンターが建設されましたが、松方ハウスはいつまでも西町の中心に存在しています。

改築と改修

Nishimachi International Schoolこの過去15年間というもの、松方ハウスは外壁を初め、内部も建築家や専門家の意見に従って、幾度となく改修を繰り返してきました。主な改修や改築をあげると、建物のスタッコ外壁の塗り直し、正面玄関の復元、中等部の教室として使われ壁が打ち抜かれていた2階の子供部屋3室を復元、かつては夫妻の寝室で中等部の教室としていたスペースを学校事務所に改造、そして新しく洗面所とキッチンを設置、スプリンクラーと緊急放送用のPAシステム、ネットワーク用のLANケーブルの敷設などがあります。

これらの改築や改修は松方ハウスをさらに長期間、さらに有効的に活用するために必要な措置ではありましたが、残念ながら予想もしなかった別な問題が提起されました。

2008年に松方ハウス内部を改装するにあたり、建物の強度の検査を受けましたが、構造上、耐震性に問題があることが判明しました。いつ大震災がおこってもおかしくないと言われる東京です、学校としては大震災に強い構造に補強することが急務となりました。 工事はまず内部の壁と床を剥がすことから始められました。その後必要な箇所に金属の斜交いを取り付け壁面の強度をはかりました。また、古い電気の配線を取り替えたり、冷暖房装置をボイラー方式から、近代的な設備に変えるのにはまたとない機会でした。

そして今

2009年に松方ハウスの耐震補強ならびに改修工事が行われました。松方ハウスを崩壊の危機から守り、立派で美しくしかも機能的な建物に復元という私たちが実現しました。伝統と歴史を守り、安全で健康な建物に生まれ変わり、これから更に50年間、西町インターナショナルスクールの発展を見続けていかれるように願っています。

Nishimachi International School
〒106-0046 東京都港区元麻布 2-14-7 Tel: +81-(0)3-3451-5520

都心に位置する国際教育のパイオニア。幼稚部から9年生までの男女共学私立校。

Western Association of Schools and Colleges      

 

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