初等部の教育

初等部の各クラスは「ホームベース」と呼ばれ、担任の教師がいます。クラスの定員は20人です。キンダーガーテン(幼稚部)の3クラスにはそれぞれ英語と日本語を話すアシスタントがつき、1年生と2年生には学年ごとに一名のアシスタントが教師のサポートをします。また、日本語の教師が各学年に一名ずつ配置され、学年単位の教員会議でカリキュラム上のニーズ、生徒の福利、日本語と日本文化を日々の授業のなかでどのように組み入れていくかなどを話し合っていきます。本校はプロとして優れた教育を行いたいと心から願い、そのために教師が定期的に会合を開き教育プログラムの計画を立てて実施しています。日々の授業は西町の学習目標 (SLE) を中心に行われ、すべての教科にSLEが組み込まれています。本校ではSLEを重視し、すべての教師がそれぞれについて年3回評価し成績をつけています。初等部の生徒数は約360名です。

英語

本校での英語学習の目標は、生徒のコミュニケーション能力、すなわち読む、書く、聞く、話すというスキルを伸ばし、将来にわたる学習経験が豊かになるように指導し、生徒の精神性を発展させ、さらには責任ある世界市民となるように養育することです。生徒たちは、さまざまなジャンルの本を読み、生涯を通じて読書と書くことが好きになり、人類にかかわる諸問題についての考えをまとめ、他の人々と共有できるようになることが大切です。さらには、人の意見に耳を傾けたり、自分の意見を発表したりするスキルを向上させることも必要です。というのも、情報を正確に伝え、考えを簡潔に表明し、説得力のある主張を展開するスキルは、いずれもこの21世紀で生きていくために重要なスキルであるからです。

算数

本校での算数の目標は、算数を応用しなければ生活できない世界で自立して立派に生活していくために必要な算数を学び理解するように指導することです。 言いかえれば、生徒全員が、概念を理解して使いこなし、算数の力をつけるようにすることです。最終的には、算数を使って思考と判断を行い、実生活の中で算数をもとに問題の解決をはかる力を養います。この目標を達成するために生徒には以下のような指導を行います。
• 算数は生活になくてはならないものであるということを理解する。
• 算数を学習、理解し、算数の力をつけることに興味を示し、そのための質問や探究を楽しむ。
• 毎日の生活の中の事柄や問題の解決に自信を持って数学の知識、スキル、理解を応用する。
• 算数の問題を解く忍耐力を育てる。
• 算数は、人類のニーズに対応して様々な文化の中で発達してきたものであることを認識する。

理科

本校の理科は体験を通じて学習できるようになっており、体や頭を使った学習体験が取り入れられています。西町の理科の学習は、より広い世界や他の教科と結びついています。実際に経験し探求することによって学習が進められ、信頼できる評価を継続的に行うことができます。問題解決のスキルは、どのレベルでも必要とされる重要なスキルです。理科の授業では、生徒に予測をしてもらい、その予測をどう検証・評価したらよいかを自分で考えてもらいます。理科でも西町の学習目標(SLE)が基本であり、理科を学習する中で、生徒は優れたコミュニケーション能力を持つ生徒、深い思考力のある生徒、自主的に学習を進める生徒、協調性のある生徒、質の高い成果を生み出す生徒、そして世界大使へと育っていきます。また、普遍的概念を掘り下げ、物質や地球、人間、生命、宇宙がどのようにつながり合っているかを生徒に考えてもらいます。理科はダイナミックな教科であり、現在の私たちにとって重要な時事問題について学習することができます。

社会

社会科では、生徒が自分の住んでいる世界を理解できるよう指導することを重視し、社会科という枠に縛られず、学校全体のカリキュラムの他教科に組み入れられています。生徒は、世界的視野で物事を考え、社会に対する責任感を育む一方で意見交換を行い、自分自身や相手を尊重する心を育てる意義深い授業に積極的に参加します。また、創立者のビジョンと本校の教育理念を踏まえ、日本についての知識や理解を深めることも重視し、生徒には、過去、現在、未来を意識しながら考えてもらいます。社会科の指導は、テーマ、永続する理解、基本的質問という手順を踏み、西町の学習目標(SLE)を達成しやすいようになっています。すべての単元には、指導と評価をしなければならないSLEが設定されています。社会科では、常に文化に対する感受性を培い、生徒が視野を広げられるようにしています。社会科は事実を教えるだけのものではありません。世界の文化に対する理解を深め、史実や現代社会の出来事を解釈する力と未来を築く自信をも養います。意味のある授業を受けた生徒は、時代、文化、環境、出来事、相手との交流という面から人間の行動や反応を考えるようになります。

健康とウェルネス

十分なスキルや姿勢を育てるための情報や機会を生徒に提供することは学校の責任です。同時に、生徒の情報を得たり解釈する能力を高め、知り得た知識を選択し、問題を解決したり、健康的なライフスタイルを送ることをも可能にします。お子様の価値観は主に家庭で培われるものであり、家庭と学校が一丸となればなお一層前向きに成長することができます。本校の「健康とウェルネス」の授業は段階的に展開し、独立した単元としてカリキュラムに組み込まれています。カリキュラムは成長に合わせてありますが、 生徒の成長や変化に伴うニーズに合わせて臨機応変に実施されています。授業では、一生を通じて健康やウェルネスを増進し、自己実現を後押しする積極的な姿勢や行動ができる知識とスキルを学びます。自分の肉体や感情、精神の健康、そして社会的健康への意欲を保つ責任感、そして相手に対する敬意を育むとともに、地域内と世界との相違点を理解することの重要性を指導します。

アート

本校のアート教育の目標は、 次の主な4分野の生徒のスキルと理解を育むことにあります。
• ビジュアルアートのアイデアを伝える。
• アートに関連するスキル、技術、作業。
• ビジュアルアートに対して反応し、よく考え、評価する。
• アートと広い社会を関連付ける。
幼児によく見られる天衣無縫な表現力と自由奔放な創造力を育むにはキンダーガーテン(幼稚部)から5年生までが絶好の時期です。アートの探求と理解は「遊び」という媒体を通して達成される、とアート部門では考えています。つまり、この年齢層のアートとの触れ合いには探検と遊びの要素があることが大切です。本校初等部のアートの授業では、アイデアやコンセプトをもとに遊び、スキルや想像力を使って問題を解決し、新しい疑問を掘り起こし、新しいアイデアや目的が生まれるようにします。アートの授業では、常に、構成、好奇心、持続力、自分や周囲に対しての責任、相手の創造性を尊重することといった重要なスキルも伸ばすようにしています。

音楽

本校初等部の音楽では、段階的に展開する授業に生徒が積極的に参加し、音楽の知識を深めるだけでなく、音楽の鑑賞力を養い、生涯を通じて音楽を楽しむ基礎を作ることを目指しています。初等部の音楽教育では、生徒全員が参加することを中心に据え、それぞれの生徒が活発に取り組みながら音楽のさまざまな事柄を探究します。成果よりも過程、全員参加、音楽のアイデアを生み出し発展させるスキルの育成を重視しています。この基礎となっているのがOrff-Schülwerk法です。Orff-Schülwerk法には、スピーチプレーの基礎、音程を変えられる子ども向けの特別な打楽器グループ、音程を変えられない各種打楽器、即興と動きの重視といった独自の特徴があります。段階ごとに、模倣から創造へ、部分から全体へ、単純から複雑へ、独唱や独奏から合唱や合奏へと移行する中で、メロディーやリズム、ハーモニー、形式、音色を学び、声質を作り上げ、音符を学んでいきます。様々な文化から生まれた音楽を生徒に紹介し、生徒は、その音楽を聞き、歌い、演奏します。また、公演のみならず教室で合唱曲や合奏曲の準備する時にも生徒は協力し合わなければなりません。また、生徒には、初歩や中級、初等部のコーラスなど、様々な合唱や合奏に参加する機会があります。音楽の授業の一環として、インターナショナル・スクール・コーラスという音楽祭に参加するとともに地域で行われる特別チャリティ行事でも演奏を披露します。

体育

体育では、一人一人の精神、肉体、社会性を良好な状態にすることに焦点を合わせており、生徒全員が、自尊心と幸福感を増す知識、スキル、および価値観を習得することができます。また、競争と協力のバランスが取れたスポーツ体験をし、その中でチームワーク、スポーツマンシップ、忍耐、敬意、正直さを尊ぶ価値観を育みます。生徒は、さまざまな集団競技や個人競技に積極的に参加し、ゲームのルールや進め方を学び、大小の運動技能、忍耐力、美しさを鑑賞する力、さらにはリーダーシップや決断力を養います。体育の授業の最終的な目標は、一生を通じてさまざまな運動に参加し、身体の健康を保つことへの理解を深め、その結果として、前向きで健康的な生活を送りながら、社会に有意義な貢献ができる積極的かつ建設的な大人を育てることにあります。

スポーツとファインアーツ (SAFA)プログラム

西町の生徒には、毎週のアート、音楽、体育の授業に加え更に、アート、音楽、体育、演劇の力を伸ばす授業があります。この授業は大変人気が高く、SAFAと言われています。生徒はさまざまな学年のおよそ15人のグループに分けられ、7週間のサイクルで活動に参加し、1年をかけて自分の学年のすべての活動に参加します。活動は学年によって異なりますが、 即興の人形劇、日本の伝統楽器琴、陶芸(アート)、柔道(体育)などがあります。また、5年生は、黒保根の姉妹校の生徒たちとの田植えを始めさまざまな教育的活動や文化活動に参加します。

IT教育

IT教育は、学習、創造、表現、コミュニケーションを行ううえで一生役に立つものです。情報リソースを有意義に活用すれば、西町の教育理念の中心目標である、深い思考力のある生徒、協調性のある生徒、質の高い成果を生み出す生徒、そして世界大使の育成が推進、強化されます。本校では、図書室と学校全体の情報技術(IT)リソースを整備し、生徒、職員ともどもアイデアと情報を生涯学び、駆使していけるよう取り組んでいます。学習に情報リソースを利用することは欠かせません。本校の生徒が、現在そして将来に向けてグローバル社会でしっかりと働くために必要なスキルと知識を確実に習得するには、すべての科目に情報リソースを組み入れることが不可欠です。

初等部での学習、評価、成績表についての考え方

初等部の成績評価は本校の教育理念と目標を照合しながら行われます。生徒の成長と成績の評価は、生徒への思いやりを忘れずに、学習の目標や改善状況を考慮しながら継続的に行っていきます。そして、ここで集められたデータをもとに、生徒の成長の度合い、そしてカリキュラムの中で設定されている学習目標の学習状況について評価します。また、学習について自分で反省し、学習者としての進歩の様子を評価する指導も行います。効果的な学習にフィードバックは欠かせません。学習の指導方法は、学年によっても異なり、個人、二人一組の学習、小グループ、クラス全体、読書グループ、個別指導、プロジェクト、作文などがあります。生徒の学習の評価は、教師による観察、読書記録、読解力の評価、自己評価、テストとクイズ(1年生から)をもとに行われます。3年生から5年生では標準学力テスト(ERB)が実施されます。この学力テストの結果は、教師がクラスの授業や学習をより良いものにする参考にします。本校では3学期制を採用しており、各学期末に生徒の学業の成果が報告されます。保護者と生徒との正式な面談は年間を通じて3回行われます。最初の面談は学年度が始まる秋に保護者と教師で行われます。この面談では、自分たちの子どもについて、個人として、また学習者としてどのように見ているのかを保護者が教師に説明します。次は、生徒の学業の進展状況について話し合いが行われる保護者、生徒、教師の3者面談です。春には、生徒が主体となり、自分の学習の成果、進捗状況、学習内容などを、担任の教師が同席する中で保護者に説明する面談日が設けられています。

宿題

宿題は初等部の教育全体の重要な一部になっています。宿題にかかる時間は生徒によって異なりますが、原則としてキンダーガーテン生、1年生、2年生は10分から30分、3年生から5年生は1時間までとなっています。

奉仕活動・社会貢献

本校では、キンダーガーテン(幼稚部)に入園したときから強い社会奉仕の心を育てます。本校では「地元、世界、そして周辺コミュニティに対して自然に貢献し、生涯にわたり社会奉仕にかかわる心を育てること」を教育理念に掲げています。初等部生徒は、奉仕活動・社会貢献プロジェクトに寄付や参加をすることができます。2008年から2009年の学年度の生徒の実績をご覧ください。

ラーニングサポートサービス

ラーニングサポート・サービス・チームは、スクール・カウンセラー、初等部/中等部教頭、ラーニング・サポート教員、およびESLスペシャリスト教員によって構成されています。このチームは定期的に会合をもち、学習を進めるうえで個人的な配慮を必要とする生徒についての助言を行います。また、必要があれば、担任教師、アドバイザー、保護者、他の教師の協力を得て、カウンセリング、一般的な学習サポート、言語指導、個人指導、外部のテスト機関などを紹介します。

生徒へのサポート

本校には、生徒を支える安全な学習環境が整っています。担任の教師が各生徒を指導し、スクール・カウンセラーや看護師もいます。また、キンダーガーテン(幼稚部)から5年生まで健康とウェルネスの授業があります。健康とウェルネスの授業は担任の教師が担当します。

生徒がリーダーシップを発揮する機会

初等部には2年生から参加する生徒会(STUCO)があり、クラスの代表者が2週間に1回集まって会議が行われます。STUCOは、社会奉仕プロジェクトで指導的役割を果たします。

文化の学習

生徒は、黒保根の姉妹校の生徒たちとの田植え、放課後の太鼓の稽古、寒い冬の日に学校で行われる餅つきなど、授業時間や放課後の活動、日帰りや一泊の郊外学習を通じて日本の文化行事に参加し、自分たちが現在生活している日本についての理解を深めます。

スクール・トリップ

各学年では、学習内容を豊かにするものとしてフィールド・トリップ(郊外学習)が行われています。泊まりがけのフィールド・トリップは3年生からです。
3年生: 本校の構内で一泊。
4年生: 2泊3日(スキーロッジ泊)の岩原へのスキー・トリップ(スキー合宿)。
群馬県鹿角にある本校の郊外学習施設で3日間の合宿。
5年生: 群馬県鹿角にある本校の郊外学習施設で3日間の合宿。
2泊3日(スキーロッジ泊)のスキー・トリップ(スキー合宿)。

ERBテスト

ERBは、Educational Records Bureau(教育記録局)の略称です。ERBテストは、英語と数学の学力を調べるアメリカの標準学力テストです。このテストは3〜9年生を対象に年に一度実施されます。西町では、学力テストはそれぞれの生徒の優れた点あるいは弱点をきちんと把握し、生徒一人一人のニーズに合った指導を行うために行いますが、その他にも適切な授業を行っているかどうかをはかる手段としても利用しています。

日本語学力テスト(NAT)

日本語を第一言語としてFクラスで学んでいる1〜9年生の生徒は、国語の学力テストを受けることができます。このテストでは、表現、読解、言語(用法、漢字など)の力が評価されます。